よく見るとしっかりテーピングされている空汰君の腕。
「…く、空汰君…」
「…大丈夫? 何もされてない?」
「…そんなことより、手首…昨日…」
私がそこまで言うと勘付いたのか、空汰君が女の人を睨む。
「おい、お前…もしかして叶愛に話した?」
「えぇ。そう言うのはちゃんと伝えたほうがいいかと思って」
「…ざけんなよ」
空汰君が私の手をケガしていない手で握る。
「あんたもあんたよね、そんな二股女をかばうからいけないのよ」
「ふ、二股ぁ?」
「可哀相に。知らないのね」
「叶愛が誰と二股してるって言うんだよ」
ふふふふ…二股なんて!
どこからそんな嘘が出てきたの?