「…正直に言えよ? 嘘ついたってケガは治んないから」
「だよな……。実はヒビ入った」
こいつには隠しても無駄だと言うことが分かり、正直に話した。
もしかしてヒビってバレると試合には出させてもらえないかもしれない。
そんなの絶対嫌だ。
俺はこの試合のために3年間頑張ったようなものだし。
「誰にも言うなよ?」
「…試合出る気?」
「うん」
「………あとでどうなっても知らないぞ」
あきれ顔の隼人は咲の方に歩いて行った。
ちらりと叶愛のほうを見る。
「…やべ」
少し見離したすきにいなくなった叶愛。
近くにいた女子に叶愛の居場所を聞く。

