「俺、頼ってね」 「うん」 ぎゅっと抱きしめると細い腕で抱きしめ返してくれる。 シャンプーの匂いが心地よい。 「泣きたかったら泣いてね」 「うん…」 「俺にバレテないと思ってる? 全部知ってるから」 「え」 「頬…もう平気?」 「空汰君……」 優しく頬を撫でてやると涙目になった。 ぎゅっと唇をかみしめて声を押し殺そうとする。 背中をトントンと叩いてやると俺の首元に顔を埋めて小さく泣き続けた。 「怖かっただけなの…弱くてごめんね」 「いいよ、全然。泣いて」