「それより叶愛」 「ん…?」 「風呂入っておいで」 「あ、臭い?」 「シャツが茶色いよ」 あの女、叶愛に何かけたんだよ。 叶愛が風呂に行っている間に俺も着替えておいた。 昨日と同じようにドライヤーをしてやって、もう一度膝に座らせた。 「…あの女に何言われた?」 「…え」 「凍弥のストーカー」 「あ…知ってたの?」 「ごめんな、間に合わなくて」 「バケツの水かけられただけだよ」 そう言って柔らかく笑った。 平た打ちされたのに。 押し倒されたのに。 俺には話せないのかな。