可愛い系男子




 痛みで動かせない。




「おい、来週引退試合だぞ…。頼む、動けって」




 俺は焦り始めて誰に話しているのか自分でも分からない。






 女は何かマズイと思ったのか走り去って行った。






「おい、ちょっと待てよ!!」





 追いかけようかと思ったが、こんな暑い地面の上に叶愛を寝かせたままなのも危ない。






 運ばなきゃ。







 俺は片手でどうにか叶愛を肩にもたれ掛けさせて立ち上がる。








 さっき叶愛を受け止めた時にか…?






 それ以外心当たりがない。






「…大丈夫だよな」