可愛い系男子



「これくらいじゃ私の気は静まらないわ」




 そう言って、バケツを私に叩きつけた。




「いっ…」



「これで凝りたら早く凍弥君の家を出て。あんたもう一人男いるくせに生意気なのよ!!」




 ――――パンッ





 乾いた音が空に響いた。





 平た打ち!!??




「うわ、手汚れちゃったじゃない」





 自分でやったんじゃない。





 だけど、彼女の目は殺気立っていて怖くて何も言えない。






「ビビってるの?」

「……」

「弱いのね」





 クスッと笑った彼女は私を強く突き倒した。