「あ、お帰りー。ゆっくり温まれた?」
「うん!」
話を中断して叶愛をソファに座らせた。
「何の話してたの?」
「んとね、叶愛の家をどうするかって話だよ」
「探さなきゃね」
ふふ、と笑う叶愛。
凍弥が立ちあがって棚から救急箱を持ってくる。
「傷、滲みた?」
「全然大丈夫だよ」
叶愛はそう言うけど、きっと痛いだろう。
膝にも肘にも口元にも傷がある。
「腹は?」
「平気だって」
凍弥から救急箱を奪って自分で手当てを始める。
ソファの上にちょこんと足を乗せて小さな手で脱脂綿を持つ姿が癒される。
「滲みる――(泣)」
「我慢しろよ」