ストン、ストンと気持ち良い音が聞こえてニンジンが切れて行く。 「やってみて―」 簡単に離れて行った叶愛の手。 俺の手が熱くなるのがわかった。 「そうそう、上手―!」 「やれば出来んじゃん、俺」 「調子に乗らなーい」 可愛いな、おい。 隣でジャガイモの皮を剥いている叶愛が笑った。 良かった、ホントの笑顔だ。 「お肉炒めてー」 「混ぜて混ぜて♪」 俺、こういうのやってみたかった。 最初が叶愛で良かった。 元カノとか全く料理出来なかったし、つか今思えばアイツ女じゃねぇ。