気がつくと目の前に何故か顧問の先生がいて、後ろで慌てた様子の2人が見えた。 あ、そうだ…私……殴られちゃったんだっけ。 「叶愛、平気…?」 空汰君の服を借りて着替えて暫くすると心配そうに入ってきた空汰君。 凍弥は黙って部屋を出ていく。 「ごめんな」 空汰君は何度もそう言う。 空汰君は何も悪くないのに。 この笑いづらい口元もこめかみから伝わる痛みも手足にある無数の痣も少し痛むお腹も全て自分のせい。 空汰君がそんなに辛そうな顔をする理由なんて一つもないのに。