可愛い系男子


何気にこの状況を楽しんでしまっている顧問を置いて、そろそろ着替え終わったであろう2人を見に行く。




「…叶愛、平気…?」





 俺の服を着せられて横になっている叶愛に近づく。





「うん、大丈夫だよ」

「傷だらけじゃん…ごめんな、俺…一緒に帰ってやらなかったから…」

「空汰君は悪くないよ、自分の身は自分で守らなきゃ…ね?」




 そう言ってゆっくりと起き上がり笑顔を見せる。





 口元が切れて笑いづらそうだ。






 いつの間にか2人の寝室には静かな…落ち着く雰囲気が漂っている。





「どんな奴だった?」

「んー…黒いフードかぶってたから顔は分からないけど、身長は私より低かったし…女の子かも」


「え、女?」

「うん、素手だったからこんな傷で済んだんだよ」





 こんな傷って十分酷いと思うけどなー…。