「ちょっと待って、電話だけさせて。マジで」
「仕方ないなぁー」
仕方なのはこっちだよ!!
先生の車の助手席に座ってる俺は、ケータイを出して叶愛に電話をかける。
「…でねぇ……」
「え、マジ?」
「マジだよ。ちょ…やべ」
3回かけ直してもセンターに繋がる。
「勘弁しろよー…」
そういいながら凍弥に電話をする。
凍弥は4コールくらいで出た。
『もしもし?』
「あ、凍弥。叶愛いる?」
『今バイト終わったんだけど―』
でっけぇ凍弥の声はたぶん顧問にも筒抜け。
「マジか」
『叶愛、いないの?』
「わりぃ…電話でねぇ」

