「あ、野山先輩!!……天海先輩も!?」
そっと体育館に入ると後輩が近寄ってきた。
「こ、顧問は?」
「……今、いません……よ、って…う…後ろに」
「え?」
ゆっくりと振り返ると、見たことない恐ろしい表情をした顧問が仁王立ち。
やっべ。
「野山ぁぁあ!!!」
「はいー…」
「遅刻した上に女まで連れて私服とはどういうことだ!!」
どうやら顧問に叶愛の顔は見えてないらしく。
「すいません」
とりあえず謝る。
「公園で昼寝してました」
「他の奴は部活を懸命に頑張っているというのに、キャプテンがそんなので―――――――」
説教15分。
叶愛おんぶしたまま。
後輩からの痛い視線を受けて。

