心地いい風が頬にあたる。
「ここは公園、見たら分かるでしょ」
まだ20分も歩いてないのに、面倒になったのかどんどん適当になってきている凍弥ガイドさん。
「これは川。これが木。これは…空汰です」
「「知ってる」」
「あーもう面倒だ」
適当に歩いてるだけでロクにガイドもせず、面倒だと言う。
「もう帰ろ」
「早いよ」
私がそう言うと凍弥が「じゃああとは二人で周って」という。
「そうする?」
「うん、いーよ」
そう言うと、凍弥は嬉しそうに方向回転。
歩いて行くのかと思えば、顔だけこっちに向けて
「叶愛、空汰に迷惑かけんなよー」
と、ニヤッと笑う。
すぐに前を向き、首にかけてあったヘッドフォンを付けると歩いて行った。

