恋*詠歌

免許を取ったばかりのオレはまだチャリ移動だ。


8月の夜は結構暑くて、チャリをこいでいると、生温かい風が体を吹き抜ける。


「ほんと田舎だなぁ」

ボソッとつぶやく。



夜12時にもなると、田舎の道は静かで真っ暗だ。

国道の道でも車がたまに通るぐらい。



そして、家まであと1キロほどの所に、オレの通っていた教習所がある。



辺りは真っ暗なのに、教習所内の道に明かりを見つけた。



よく見ると、車が一台、ライトをつけっぱなしで停まっている。