恋*詠歌

「昨日、あれからオジョーに電話したんだけど……やっぱり出ないんだ」


もくもくとチャーハンを食べていた田中の手が止まった。



「嫌いなら最初から、そういう事しないだろ?
俺、あの日嫌われるような事したのかな。」


ため息まじりに、田中がつぶやいた。

こんなに元気のない田中は見たことがない。
こんな田中を見てると、こっちまでおかしくなりそうだ。





「じゃあ、オレがオジョーに聞いてやろうか?」


「ちょ!!ちょっと待て!!」



オレの声を遮るように、田中が声をあげる。



「やっぱりオジョーじゃなくて……誰か他の子に、さりげなく探りをいれないか!?」



「あぁ?めんどくせぇな……
じゃあアヤにでも聞いて見るか」



「そ、そうだな!それがいい!さっそく呼び出すか!!」


え!?今から!??