恋*詠歌

オジョーというのは、大学は違うがオレ達のバイト仲間で、お金持ちの家のお嬢様だ。




あのオジョーが、この田中とねぇ……




「どういう経緯で、お前らが付き合う事になったんだ?オレはお前から『オジョーの事が好きだ』とか一言も聞いてなかったぞ?」




田中が少しモジモジしながら答える。



「オジョーが夏休み、実家に帰らなかった事は知ってるだろ?それでバイトの帰りに……」




そう言って田中の顔が赤くなる。




「なんだよ!もったいぶるなよ!」




「バイトの帰りに……『うちでちょっとお茶でも飲まないか』って言われて……」



「それで?」



「それで……」