恋*詠歌

「あ!……ごめんなさい、私……(>_<)」


我に返った若菜ちゃんは、顔を赤くして下を向いた。



オレは、もう完全に思考停止で、何も考えられない。


何も考えられない。



考えられないけど……!






気付けばオレは、若菜ちゃんの肩に腕を回し、その細い体を、抱き寄せていた。



甘くて、とてもいい香りが、ほのかにオレを包む。



オレの心臓は、まだドキドキしているのに、なんだかとても……穏やかな気持ちになる。


そして……

ピタリとくっついている細い体を少し離し、若菜ちゃんの顔を覗きこむ。


若菜ちゃんの顔は真っ赤で、困惑の表情が伺える。
目も合わせない。



それでも、オレは……








若菜ちゃんのホッペに、軽くキスをして、また抱き寄せた――