「…ごめん」



菊地君は私を引き離すとそう言った。


…どうして謝るの?




「……ごめん」





…どうして貴方が、そんなに泣きそうなの?


…なんで…なんで……




菊地君は私にそれだけを言って走り去った。


1人取り残された教室のドアから、
武市君が見ていたなんて………