「ねー、凌どう思う!?」

「んー…どうでしょうね?」

時は放課後。場所は高校から程近いオシャレなカフェ。
話の内容はもちろん、さっきの奏くんのことである。

「だってさぁ、もっとピュアで優しい人だと思ってたもん」

「最初の対応だけで判断しちゃダメだよ……」

「だって!あの笑顔は85点だったんだもん!」

「はぃ?」

凌はワケわからんって顔してるけど、本当にあの笑顔は85点マークしてたし、それはついさっきまでずっと…!!

「まぁいいさ…あいつは優しいけど腹黒だからね」

「そ、そうなの!?」

それほどだとは思わず、私は少し大きな声をあげた。
すると、凌は深いため息をついて、遠くの方を見つめた。

「……私、これでも陸上クラブ入ってたときは、奏に踊らされてた…」

「凌が!?」

「うん」

それは私にとって信じられない一言だった。いつも面倒見がよくて、お姉ちゃんみたいでなんでもできる凌が奏くんに踊らされてたなんて…

私は少し奏くんが怖くなった