「ん?どうしたの彩葉?もう学校着いたよ?」

凌に見とれているうちに、私たちは学校についてしまった。
凌と私は家が近くて、おまけに高校も近い。


「ねえ、彩葉?どうしたの?」

「あ、ううん。なんでもない!」

いくら親友の凌でも、今さら蓮を想って切なくなってるなんて言えない。
蓮のことは誰よりも好きだけど、切り替えようと決めた。

この高校で、彼氏をみつけるんだ!


「あれ、奏?」

「え!?もしかして、凌ちゃん!?」


1人で気合を入れていたら、後ろの方で凌が誰かと話してた。
身長は推定170くらいかな。
まぁまぁかっこいいから、彼氏候補に入れとこ!
でも、性格も大事だから、凌に紹介してもらおう!

「凌?その男子、知り合い?」

「そうだよ。紹介するね?友達の迅野 奏!」

「こんにちは、彩葉ちゃん・・・かな?」

にこり、と愛想良さそうに笑った。
スマイル85点!

「よ、よろしくおねがいします!」

「あ、じゃあ俺いくから。友達待たせてんだ」

「うん、じゃあまた」

少し手を振ったあとで、私たちに背中を向け走りだした。
友達って、どんな人なのかな。
私のちょっとした期待が、胸の中でうずうずしていた。