秋から冬への物語


「園芸部って」

「んー、皆で花植えたり花壇のお世話したり。楽しいよ?」


そう言うと
彼女は、一歩俺に近付いてきた。


「ねっ?」


少しウエーブのかかった髪が
肩の辺りで、揺れている。

小柄な彼女に、下から覗きこまれて
クリクリと丸い瞳で見つめられるうちに


「……」


自分でも 何が何だかわからなくなった。


「誘う相手間違ってますよ、先輩。何たってコイツはこの前までやきゅ…」

「入部します。」



へ、と
隣でカズの呆けた声。


目の前の女子二人も驚いたような顔で俺を見ている。



──ん?

今、俺なに言っ…



「…ほんと!?」