秋から冬への物語


「じゃあ、秋平くん」

「…はい」


俺の目の前に
学生証と一緒に、一枚のチラシが差し出された。


「園芸部、入らない?」

「………はい?」


カズと二人で顔を見合わせる。


え、
園芸部?


「ちょ…冬菜?」

「お友だちも、はい。」


ポニーテールの制止にも耳を傾けず
カズも、ポカンとしたまま彼女からチラシを受け取った。


…それまで気がつかなかったが
二人とも両手いっぱいのチラシを抱えている。

この人たちも、勧誘の途中だったらしい。