「あの…ケガとか、ないっすか?」 仕方なく、俺から声をかける。 ……つーか、 学生証早く返してほしいんだけど。 「……あき」 学生証から目を話さぬまま その人は、ぽそりと口にした。 「ってつくんだね?名前に」 「は?」 一瞬、目が合うと 柔らかく微笑んで俺に言う。