君のメロディーを大切にします。

流は席に戻る事はなかった。
流の空いた席に一人のチャラそうな女の子が座る。
髪は金髪。
ピアスはジャラジャラ。
化粧は厚め。
女の子は流の顔みて
「席を譲ってくれたのー?」
と冗談で言った。
流は別に譲ったわけじゃないと言う顔で女の子を見た。

何分電車に乗っただろうか…
やっと流の降りる駅に着いた。
プシュー…
扉の開く音。
一斉に車内はガラリと冷たい風が吹くと同時に広くなった。
流は一番最後に電車を降り、
自分の家に向かった。

「ただいま」
長いこと電車にいたせいか頭がクラついて自分の部屋に行き
ベッドの上に寝転んだ。
時間は午後2時。
去年の今頃は
きっと部活に励んでいる最中。