「ねぇ拓哉?」 「…ん?」 「私を抱いて」 最後なんだから、これくらいのわがままいいよね? 「…え?」 「最後くらい私のわがまま聞いてよ。1日だけ拓哉の彼女でいさせて。」 私がそう言うと、拓哉は静かに切ない目をしてうなずいた。 私たちはその日の夜、1つになった。 拓哉は優しく愛してくれた。 私の名前をたくさん呼んでくれた。 "好きだ" "愛してる" って言ってくれた。 この幸せな時間が一生続けばいいと思った。