私は、その瞬間
現実の区別がつかなくなった。
これは、夢―…?
夢ならば、早く…早く…
目覚めて欲しい…。
お願い…。
目覚めて…。
―――――――――………
その時、私の頬に
陸の手が当たって
私は、 ハッ とした―。
『カレン…俺の傍に居る事で苦しませて悪かった。』
『嫌…嫌だよ…。陸っ…』
私の目には、
大量の涙がこぼれていた。
『……っ。』
陸は、一瞬、戸惑った様子を見せたが、また私の方をしっかり向いた。
『これで、お前を守れる。
今まで、ありがとう。』
『陸っ…!』
陸の手が私から離れた―。
待って―…
待って―…。
後ろを振り返り
陸は、出口の方へ歩きだした。
行かないで………。