すむ場所は最初から決めていた。

中学の仲間で、小学校からずっと一緒に悪い事やってきた親友、近衛拓の所だ。

彼は中学を卒業したあと、親父のコネで車の整備会社に入社し、真面目に一人暮らししている。

働く事とほぼ同時に思い浮かんだ。

俺はその日の仕事が終わると、一直線に彼の家に行った。

ちなみに、それまでは3日ほどビジネスホテルで生活していた。

名前も住所もデタラメだったが、なんとか泊まることができた。

乾いた空気と硬いベッドの上で、この上ない開放感を謳歌した。

彼にとって、一泊6000円のビジネスホテルは天国だった。