ポイズン

冷たくて苦い液体がのどに心地いい。

もう1杯とグラスにビールを注ぐ。

「何かあった?」

ドキッとした。

さすが、侮れない。

俺が秋風さんを越えるのは無理な話だろう。

「いや、何もないっす」

首を横に振ってごまかした。

まさか、言えまい。

吸血鬼の少女に、報われない片思いをしているなんて。

そんなことを頭のいい彼女に悟られるのはごめんだ。