ポイズン

「警察には言わない」

赤い目が俺を見た。

「分厚かったテレビが極薄になるくらい発展したこのご時世、あげはの言うことは信じてもらえないと思う。

頭のおかしなヤツとして世間から白い目で見られるのがオチだ」

「でも…」

「もちろん、お前が犯したことには変わりはない。

だが、信じてもらえないのは確実だ」

「わたしは…」

「知ってる」

シャツのボタンを外した。

「この跡、あの時お前が噛みついて血を吸ったんだろ?」

コクリと、あげはがうなずく。