ポイズン

「1つは、その死体はお前の仕業か」

中指を出す。

「もう1つは、お前は何者か」

赤い目が伏せた。

「――わたしは…」

か細い、震えた声だった。

「ヴァンパイア。

――人間の血を食う吸血鬼、です」

耳を疑った。

けど、彼女がその場しのぎのウソをつくとは思えなかった。

「死体は、わたしの仕業です。

あの人がしつこかったのと、飢えていたから…」

震えている。

華奢な躰も、その声も。