ポイズン

固まるヒマを与えないと言うように、さっきの美人に現場から追い出された。

この美人、秋風さんに負けず劣らずのすごい人と見た。


事務所に帰ってきた俺は、電気が消えていることに気づいた。

俺、電気なんか消したっけ?

恐る恐る事務所に入った俺を待っていたのは、
「………あげは?」

赤い目が驚いたようにこちらを振り返った。

見間違いなんかじゃなかった!

「いやっ…!」

歩み寄ろうとした俺に、あげはは泣きそうな顔して怖がった。

「嫌って何だよ」

俺はあげはとの距離を一気につめた。