ポイズン

1度セックスしたくらいで何を言っているんだと言うことはわかっている。

彼氏ヅラするなと言うことはわかっている。

でも――いなくならないで欲しかった。

蝶のように、俺の手から離れないで欲しかった。

「あげはーッ!」

大声であげはの名前を叫びながら探した。

この際、近所迷惑だと言うのはどうでもいい。

どれくらい探し回ったのだろう。

「……あ?」

公園の前にやじ馬が集まっている。

パトカーも止まっている。

何かあったのか?