ポイズン

一瞬よぎった予感。

いや、違う。

振り払うように頭を左右に振る。

消えなかった。

ああ、また俺の悪いクセだ。

1度思ってしまったら止まらない。

一生治らない俺のクセ。

「………ッ、あげは!」

気がつけば、俺は事務所を飛び出していた。

俺の前からいなくならないで欲しい。

俺の前から離れないで欲しい。

俺の前から消えないで欲しい。

こんなにも強く思ったのは、初めてかも知れない。