ポイズン

ドアを開け、電気をつける。

真っ暗だった部屋が明るくなる。

「あげは?」

呼びかけた。

寝室に顔を出して見たが、いなかった。

その代わり、ベッドはキチンと整えられていた。

几帳面なんだな、あげはのヤツ。

なんて思いながら狭い事務所の中を探して見たが、当人はいなかった。

どこかへ出かけてんのか?

こんな時間から?

「――まさか…」

出てった、ってことはないよな…?