ポイズン

事務所をオープンしてようやく1年経ったって言うところだから、俺のことがまだまだ心配で仕方がないんだろう。

心配してくれるのはありがたい。

でも同時に、まだまだ半人前と言われているような気がして仕方がない。

「仕方ねーか」

今度秋風さんの好きな酒を持って事務所に顔出しに行くか。

そう思った時、視界に見覚えのあるその姿をとらえた。

「あれは…?」

事務所を訪ねてきた彼女の姿だった。

「そこで何してる?」

俺が声をかけると、彼女は振り向いた。