ポイズン

閉めて気づいた。

「――マサムネ…?」

どこかで聞いたことがある名前だ。

知り合いにそんな名前のヤツはいない。

正宗。

まさむね。

マサムネ。

………やっぱり、心当たりがない。

でも、どこかで聞いたことがあったのは確かだ。

彼女に聞こうと思い、閉めたドアをまた開いた。

「…って」

彼女はいなかった。

クソ、帰ったか。