20 Years After

「お前らってさ、本っ当に“仲良し”だよな～」



俺達のところにやってきたのは、吉川といえクラスメートだった。




「だったら、何だってんのよ？」




明らかにからかわれている声音に鈴音は苛立った様子で吉川の事を睨んでいた。




「朝だってよく一緒に来るしさ、帰りだって…。今もこれからデートなんだろ？　これだから夫婦は…」



ニヤニヤと気持ちが悪い顔をしてそんな事を言う吉川に腹が立ってしょうがなかった。
それに、何となくデートとか夫婦とかの単語が照れくさかった。



「別にそんなんじゃねーよ。てか、何だよ、夫婦って」




照れ隠しのつもりだったんだが、だいぶ声が刺々しくなってしまった。
うん、間違えたら怒った風に聞こえてたかもしれない。




「あれぇ～、知らないの？　みんなそう言ってるよ」



ただ吉川がそう言ってるだけだと思ったら違ったらしい。
クラス内の何人かが意味有り気にこっちを見て笑っていた。