「オイヤベーぞっ!!みんな上に逃げろっ!!!!」




仲間に指示を出し上階へ逃げるフリをして、階段を駆け降りる。


建物は相当な高さがあるらしく、どれだけ下っても階段がなくなる気配はない。


しかし、いつまたあの人に見付かるかと考えると、とにかくあちこち逃げ回るしかない。


私はどんどん階段を降りていき、最後には手摺から手摺へと飛び移って腕力だけで移動していた。


そして、適当な階で廊下を走って移動し、再び階段を降りていく。



これだけ撹乱しておけば、そう簡単に見付け出せはしないだろう。





しかし私は、夢特有の超展開を甘く見ていた。




階段を数段飛ばして駆け降り、踊り場へ着地した瞬間。




「はぁい、捕まえた」




そこで、目が覚めた。