恐怖と混乱、そして好奇心がない交ぜになった奇妙な気分のまま、私は音の原因を調べ始めた。


発せられる音を注意深く聞き、音源の場所を探る。


すると、どうにもチルド室が怪しいようだ。


スライドをゆっくりと引き出して、中を確認する。















発見した。




だが、どうにも様子がおかしい。


何がおかしいのかと言えば…







「…なんで……ブタ肉のスライスと鮭の切り身が一緒に入ってんの…?」






薄く切られ綺麗に並べられたブタロースのスライスの上に、でんと鎮座するサーモンピンク。


明らかに異常事態だ。



この世のサーモンピンクの頂点に君臨したかのように、よそのお宅に勝手に上がり込んでいる。

不法侵入も良いところだ。




私は無意識にパックのフィルムをむしり取り、中身を床に叩き付けた。