「ざざりだっ!!!!」






ヤツに肩を掴まれた瞬間、私の脳内に弾け出された言葉だ。



起きた後は、夢の中で“何か”に捕まっても、特に恐ろしいことが起きずに終わったことで心底ホッとした。



だが、すぐに疑問が浮上する。




──「ざざり」とは何だ…?






辞書に載ってもいない、インターネットの検索にもかからない、夢の中の私だけが知っていた言葉。


夢の中の私だけが知っていた存在。


そして、夢の中の私が恐れていた存在。



そしてこの「謎の言葉」は、未だに正体が分からないまま、私の中に残っている。



寝ては恐怖、覚めては不気味、そんな夢のお話でした…。




(了)