母さんに自分の足の限界を聞いてから、3日。

僕は、担当医に呼ばれ、診療室に入った。


「海知君、キミは真実オ知っているから、もう隠しはしない。」
そして、僕は、弱々しく頷いた。

「担当直入に言おう。君の足は、もう走れない。」

3日前に母さんから言われた絶望の言葉を、もう一度、担当医から聞かされた。
今度は、足の容態と一緒に・・・。

「キミの足には、癌がある。しかも、相当進行している。よくここまで走ってこれたと思うくらいにね。そして、その足はもう・・・」

その先の言葉に、僕はさらに絶望のどん底に突き落とされた。

切断―――。

「キミの足は、もう切断するしか方法がないんだ。この進行状況だと、もうすでに他の場所に転移している可能性もあるんだ。だから、もうその足は、キミの重荷にしかならない。だから、早めに切断した方がいいんだ。残念だけど。」

言葉にならなかった。

もう走れない。
それは母さんに3日前に聞いて覚悟はしていた。癌がかなり進行している事も・・・。

でも、切断なんて・・・。

それは考えてもみなかったし、考えたくもなかった。

どの位、呆然としていたんだろう。


その後、担当医に声をかけられたが、適当に何かを答えていた。
そして、適当に診察室を出て、待合室にある椅子に座っていて、気付いたら値rはもう真っ暗で、診察を待つ人は、誰一人としていなかった。

そろそろ病室に戻ろうとした時、懐かしい顔が、僕の目の前にあった。