夕方になるとさすがに冷え込んできて、濡れたシャツが体温を奪っていく。 周りの家の窓から立ち上る湯気を見ていると、早く温かい家に帰りたい衝動に駆られて、無性に泣きたくなった。 それでも、家とは正反対の方向に足を向けているのは、俺にも僅かなプライドがあるからで。 飛び出してきた家にあっさり戻れるほど俺は素直じゃない。 仕方なく近くの公園に入って、缶コーヒーを買うと、公園の隅に置かれていたベンチに腰を下ろした。