あたしは言った。
「出てくつもりなんかないよ」
「聞いていたでしょう、私は」
「とにかく! 出てかない、絶対」
「あのねえ」
「好きだから」あたしはきっぱりと言った。「あたしきっとずっと好きだから。海さんが男でも女でも一生好きなことに変わりはないから。だって家族ってそういうものでしょう? 海さんと会うまであたしはずっと生きてなかった、生まれてなかったんだよ。海さんが、あたしをこの世に生みだしてくれた。だから、あたしにとってたったひとりの家族なの」
海さんは困ったようにしばらくあたしを見つめていたけれど、
「あなたって、ほんとどうかしてる」そう言って笑った彼女の表情は僅かに幸せそうに光った。
「出てくつもりなんかないよ」
「聞いていたでしょう、私は」
「とにかく! 出てかない、絶対」
「あのねえ」
「好きだから」あたしはきっぱりと言った。「あたしきっとずっと好きだから。海さんが男でも女でも一生好きなことに変わりはないから。だって家族ってそういうものでしょう? 海さんと会うまであたしはずっと生きてなかった、生まれてなかったんだよ。海さんが、あたしをこの世に生みだしてくれた。だから、あたしにとってたったひとりの家族なの」
海さんは困ったようにしばらくあたしを見つめていたけれど、
「あなたって、ほんとどうかしてる」そう言って笑った彼女の表情は僅かに幸せそうに光った。
