海さんは幾分表情を穏やかにゆるめて、ミュウはやさしくて本当にいい子ね、と呟いた。
「やさしくなんかない。海さんのがずっとずーっとやさしくて」
言いかけると、海さんは顔をこわばらせて遮った。「そうじゃないの、全然違う」
「なんでよー」涙で言葉がうまく出ない。
「優香子が言ったことは本当。私は冷たい人間なの。彼女をかわいそうだといって、心の中でも同情しているのは嘘じゃないのに、底の底では全然許せないでいるの。ふとした拍子にもっと悩めばいい、もっと苦しめばいいとさえ思ったりする自分がいる。人を許せないなんて・・・・・・最低。本当に情けない」
この人はどれぐらいの長い間、苦しんできたんだろう。
もういいのに。きっと誰も悪くないのに。
「やさしくなんかない。海さんのがずっとずーっとやさしくて」
言いかけると、海さんは顔をこわばらせて遮った。「そうじゃないの、全然違う」
「なんでよー」涙で言葉がうまく出ない。
「優香子が言ったことは本当。私は冷たい人間なの。彼女をかわいそうだといって、心の中でも同情しているのは嘘じゃないのに、底の底では全然許せないでいるの。ふとした拍子にもっと悩めばいい、もっと苦しめばいいとさえ思ったりする自分がいる。人を許せないなんて・・・・・・最低。本当に情けない」
この人はどれぐらいの長い間、苦しんできたんだろう。
もういいのに。きっと誰も悪くないのに。
