愛のかたまり

 あたしは身体がぐにょぐにょになって思わず座り込んだ。

 遠くのほうで、バーイバーイと大声が遠ざかる。

 ばかね、と海さんは呟いた。

 何も言えなかった。

 海さんはもう一度、ばかよと言ってあたしの髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜると、寝室に消えた。

 TV画面にはいつのまにか早朝番組がはじまり、リビングに朝の透明な光が射し込んでくる。

 水槽の寝室も、部屋中が淡い青に染まりはじめていることだろう。