愛のかたまり

 とりとめもなく、澱のように降り積もった胸の中を全部吐き出し終わると、またひどい後悔が襲ってくる。

「あたし、生きていてもいいのかな。ちーちゃんだけ不幸なままで死なせて。あたしのせいで、あたしさえもっと早くちーちゃんの苦しみに気づいてたら」
 
 骨ばった手が口を覆う。

「なぜ不幸だと決めるの」

 深い瞳で言う。

 あたしは海さんの手の透き間から言った。「だって。だって、ちーちゃんの人生はつらいことが多すぎる」

「そう? 彼女はあなたに父親や、恋人の話もしてくれたんでしょう? どんなふうに話してくれた?」