愛のかたまり

 お葬式の日。

 涙のでないあたしのかわりに細かな雨が降っていた。

 ちーちゃんは煙になって高く高く空へ昇り、後には信じられないほど白々しいいくつかの骨だけが残った。

 ママは泣いていた。赤く腫らした目でちーちゃんの煙を見つめていた。

 うらやましくて、信じたいとさえその時は思った。

 わかっていたはずなのに。

 ハンカチの陰で醜く眉を顰めたママは、吐きすてるように言った。

「本当に、死ぬ時まで厄介な子!」