愛のかたまり

 いつも考えてた。

 ずっと考えてたの。

 自分の存在意義について不安を感じてた。

 愛されてないことを、いらない子どもだということを知っていた。

 だから、早い段階で誰も愛さないことを決めた。裏切られるくらいなら最初から期待しないほうがいい。

 誰とも・・・・・・それが大人であろうと友だちであろうと、程々の笑顔と冗談と愛想と、嘘で接した。

 そうしてそれは思いのほかうまくいった。誰も気づいたりしなかった。

 それからはとても楽になり、あたしの邪魔をするものは何も、なくなった。