ぼんやりと目を開けているあたしをドアの透き間から確認すると、海さんは寝室に入ってきた。ベッドの端に腰を下ろし、静かに目蓋に触れる。泣きすぎて熱をもった目蓋につめたい指がここちいい。
あまい声が、大丈夫? と問う。
あたしは頷いて、とろんとした目のまま訊いた。「海さん、仕事休んでくれたの? あたし、迷惑ばっかかけてる・・・・・・」
「病気でもないのに休むのってなんだかちょっとわくわくするわねえ。得した気分」
こともなげに言って、海さんはにっと笑ってみせた。
「やあね、そんな情けない顔しないの。うちのママ、昔っからの友達なのよ。だから結構わがまま通るの。大丈夫よ」
海さんはやわらかく頭を撫でると、母親のようにかいがいしく布団を直して立ち上がった。
あまい声が、大丈夫? と問う。
あたしは頷いて、とろんとした目のまま訊いた。「海さん、仕事休んでくれたの? あたし、迷惑ばっかかけてる・・・・・・」
「病気でもないのに休むのってなんだかちょっとわくわくするわねえ。得した気分」
こともなげに言って、海さんはにっと笑ってみせた。
「やあね、そんな情けない顔しないの。うちのママ、昔っからの友達なのよ。だから結構わがまま通るの。大丈夫よ」
海さんはやわらかく頭を撫でると、母親のようにかいがいしく布団を直して立ち上がった。
