ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

「ああ、山中さんからお聞きしていますよ」


にこやかに軽くうなずく。

儀礼的な微笑。


丁寧すぎて、まるで仮面でもかぶっているのかと思ってしまうほどの物腰。

この礼儀正しい仮面の下には、この絵のような、暗くて狂おしいものが詰まっているのかな。


「O美大の受験生の選考には一切関わっていないんですが、よろしいですか?」


微笑とともに軽く出されたジャブに、ママは大慌てで手を横に振った。


「いえホント、そんなんじゃないんですよ!

ほら柚希、持ってきた絵出しなさいよ」

「ああ、はい」


急にこっちに振られて、あたしはあわてて口の中の食べ物を必死で飲み込んだ。


「これ、最近描いた絵です。部活で描いた」